ミステリー文学資料館は、ミステリーに関心を持つ作家、研究者、一般読者のために、資料を収集保存し、閲覧に供するために設立された、世界でも珍しいミステリーの専門図書館です。
他の図書館ではなかなか手にすることができない、戦前戦後の探偵・推理雑誌、研究者、書誌などの参考図書を自由に閲覧できます。
皆様のご来館を心よりお持ちしております。
もう一つの開館10周年記念行事として企画された館内展示「『新青年』の作家たち」も10月17日からスタートしました。
大正9年(1920年)1月、博文館から創刊された雑誌「新青年」は、戦前の江戸川乱歩、横溝正史、小栗虫太郎、夢野久作など数多くの探偵作家が活躍した雑誌として知られています。最初は若者の修養雑誌として編集されたこの雑誌はミステリーに詳しい編集長森下雨村の手で、次第に戦前の探偵作家の登竜門に生まれ変わって行きました。
そこに発表された長編の名作の多くは戦後再刊され、短編も何冊ものアンソロジーに収録されています。そういうわけで、雑誌の名前はミステリー・ファンの間ではよく知られていますが、この雑誌は、現在では所蔵している図書館が限られており、たとえ所蔵していても、そのほとんどがマイクロフィルムでの閲覧しか認めていないので、現物を目にする機会は非常に限られています。
ミステリー文学資料館では、特別コレクションとしてこの「新青年」400冊を極美本で所蔵するとともに、一部を1階の開架書棚に配置し来館者が手に取って読めるようにしていますが、今回の館内展示は、資料館のコレクションをもとに、当時の雰囲気を伝えるモダンな雑誌の表紙、探偵趣味の濃厚な挿絵などのほか、同誌に連載された小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』、横溝正史の『鬼火』などの初版本、また、同誌の編集長を務めた作家水谷準の日記などを展示しています。
文字通り幻の雑誌でもある戦前の探偵小説雑誌「新青年」の魅力的な世界をどうぞお訪ねください。
展示期間は来年の2月の13日までです。